観劇日記:『贋作・罪と罰』

今年最後の観劇ってことで野田地図/NODA・MAP第11回公演「贋作・罪と罰」に行って来ました。野田秀樹の舞台を観にいくのは初めてでしたが、噂に聞くとおりセリフ回しが早い早い。最初のうちはなかなかついていけませんでしたよ。でも観終わった後は、今年観た舞台のベストだと思いましたね。

というわけで、雑感というか感想というか。

舞台を取り囲むように客席が設置してあって、その周りには多種多様な椅子。そして舞台においてあるものも椅子とクッション材。すべてのものがこの2つで表現されていきます。アレは何なのかとか、常に頭を使わされている感じ。ストーリーに入りつつも、想像力を使わされているというか。役者さんも引っ込まずに舞台周りの椅子で待機していて、なんだか不思議な感じでした。

劇中で勤王の志士が権力側の人間によって殺されることで、運動が盛り上がっていく様が描かれるんですが、パンフの冒頭にもあったようにやっぱり学生運動との二重写しなんですよね。山田玲司の『絶薬』でも学生運動と関わりのあったクリエイターが多く出ていて、その辺がやっぱり何らかの原点だったりするんだろうなぁ。

クライマックスの英と才谷が対峙する場面からラストの手紙のシーン、ジワリと涙腺が緩んでしまいました。


29. 12月 2005 by Castaway。
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