観劇日記:『コンフィダント・絆』

ちょっと間が開いてしまったのですが、『コンフィダント・絆』観てきましたので感想などなど。ネタバレもあるのでご注意を。

いやはや。面白かったですわ~ 笑うわ、泣くわでもうホントなにがなんだかってくらい。それに色々と考えさせられる舞台でもあったかな。才能、感情、友情…もういろいろと。今も昔も嫉妬や羨望、依存という意味では変わらないのかもしれません。ただ芸術家だけにその度合いは違うのかも。

ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、シュフネッケル。この芸術家4人は毎晩飲みながら、朝まで語りあう親友同士でもあるが、同時にライバル。互いに芸術家であるがゆえの複雑な心境を抱えつつも、微妙なバランスで成り立っていた。
そんなある日、ひとりの女が現れ、その彼女をめぐって4人は対立することに。果たして、これまで保たれていた彼らの関係は・・・・・・。

チケットぴあ/「コンフィダント・絆」 /演劇

ゴッホとゴーギャンが共同生活を始める前あたり、という時代設定なのですが、その後の史実への伏線という形で、ゴッホに対して「耳でも切っちゃえば」というセリフがあるのがすごく面白いというか。

画家だけに才能とか感受性の有無がキーとなるわけで、スーラとゴーギャンはゴッホに才能があることを理解しつつも、その才能や感受性に対する羨望や嫉妬を押さえることができない… 2幕でのスーラの行動はそんな感情の結果なのでしょう。そんな彼らのリーダーであるシュフネッケル。一言で言ってしまうといいひと、という存在ですが、4人の共同生活を維持していこうと終始頑張っていたにもかかわらず、最後の最後で皆から才能がないと言われてしまう… でも彼こそが他の3に人にとっての「秘密・秘め事を打ち明けられる、心許せる相手」ということがラストで明かされて、ちょっと救われて気分になりました。

それにしてもスーラ、ゴッホ、ゴーギャンは美術史に出てくるような人物ですから、まぁいいとして、シュフネッケルという人は実際はどんな人物だったんでしょうねぇ。パンフには「コレクターとしては鋭い審美眼の持ち主」とあったので、少なくとも劇中のように見る目がなかったというわけではないんでしょうが。

配役は見事の一言です。文句の付けようがないですね。生瀬ゴッホはもう最高!としか言えません。


29. 4月 2007 by Castaway。
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