観劇日記:『さらば、わが愛 覇王別姫』
先週末に観てきました。実は映画版があるのを全く知らなくて。観劇した後は、こりゃ映画版も観なけりゃなるまいと思いましたわ。予備知識なしで舞台版を観て、よかったので、じゃぁ映画版はどれだけなんだろうと。
1930年代の中国の北方都市。娼婦の私生児である小豆子は、半ば捨てられるように京劇俳優養成所に預けられる。娼婦の子といじめられる小豆子をことあるごとに助けてくれたのは、先輩の石頭。やがて小豆子は、石頭に同性愛的な思慕を抱くようになる。
成長した2人は、それぞれ程蝶衣(小豆子)と段小樓(石頭)という芸名を名乗り、『覇王別姫』 で共演しトップスターになる。
劇場の中が、京劇の小屋みたいな感じ。ちょうどパンフの中に北京の劇場の写真があるのだけれど、まさにという雰囲気。舞台の上では役者さんが開演前のウォームアップ。搬入口まで見えちゃっているのが、なんとも新鮮。セットが簡素な分、袖の白いカーテンが場面場面で違う表情をしていて印象的でした。
毎度の如く、以下ネタばれ含みます。
冒頭の科班のシーンだけだと、小豆子がなんで石頭に思慕を抱くようになるんだろと。その部分は薄いけれど、蝶衣の「私は舞台衣装のまま生きているのです」という台詞がすべてなのかなぁ。舞台衣装のまま生きているからこそ、相手役の小樓を愛してしまうのかな。でも正直その辺はもうちょっと観たかった気がします。
女形のヒガシですが、これがすごいよかったですわ。所作とかダンスがすごくキレイ。『IZO』もそうだったんだけど、ジャニーズって基本的な身体能力が高いから、なかなかに侮れないというか。後半部の鬼気迫る演技もすごかったし。
そういえば、その後半部のシーンで、菊仙が気持ちを吐露する部分があるんだけど、その辺の心情とかももっと知りたいなぁ。やっぱり映画も観なくちゃ。
西岡徳馬演じる袁が、剣を小道具ではなく真剣なんだよと言って渡すところが、あぁ多分…と結末を予想させつつも、蝶衣への想い観たいのが伝わってきて。ちなみに自分の中では西岡さんはまだ山内容堂(^^;
帰宅後、テレビつけたらBSの中国文化云々の番組で、京劇を取り上げてて、やっぱりちょっとは予習しとくべきだったかなぁと思ったのでした。早いうちに映画版観るなり、原作探して読むなりしなくちゃね。