観劇日記:『トゥーランドット』
赤坂ACTシアターの杮落し公演でございます。昔のACTシアターで初めて新感線観たんだっけなぁ…(遠い目)
ガラッと劇場周りの雰囲気も変わって、ロビーの明るい劇場になってました。今回は2階後ろの席だったんですが、意外に観やすかったですよ。ロビーが狭くて、幕間や終演後はかなり混雑してましたが…
正直な感想は、消化不良かな〜ってのと、あくまでこれは杮落しのための祝祭音楽劇
なのね、ってところでしょうか。ストーリーもオペラとは違うし。
東方の島国の皇太子カラフ(岸谷五朗)は、側近のティムール(小林勝也)と侍女のリュー(安倍なつみ)を伴い、海を越えた黄金の都にたどり着く。女帝トゥーランドット(アーメイ)が治めるこの国では、美しいトゥーランドットとの結婚を望んで各国から王子が訪れては、条件である3つの質問に回答できず、満月の夜ごとに首をはねられていた。
以下ネタばれありです。
オケとのバランスが悪いのか、所々歌詞が聞こえてこない部分があったのが残念。特にコーラスのレベルが高いので、非常にもったいない。歌という面からみると、さすがにアーメイと安倍なつみって感じがしました。アーメイは台詞の方が、ちょっとハラハラしちゃいました。
ストーリーの方は、プッチーニの設定だけを借りて再構成するくらいなら、下敷きにしちゃって役名から何から別物にした方がよかったんじゃないのかなぁと思ってしまいます。なまじっかオペラのイメージがあるだけに、ちょこちょこ違和感が。新たに加えられたワン将軍にしても、いまいち心情が分からんのです。トゥーランドットへの愛情と権力欲のどっちであんたは動いてんだ!しかも追いつめられたらあっさり自害かよ!みたいな。そういった心情変化とか行動理念を細かく描けばもっと面白かったと思うのに。
で、ワン将軍を演じた中村獅童ですが…ちとがっかりですわ。役どころだからってのもあるけど、粗野、横暴の一本槍。立ち回りとか所作にしても、歌舞伎役者だからしっかりしてると思ったんだけどなぁ。
ミン役の早乙女太一は、宦官役ってのもあってなかなかハマっておりました。さすがに舞はキレイでしたよ。売り子役で狂言回しの北村有起哉が軽妙かつ自由な感じでよかったです。
舞台セットが大階段で、ダイナミックに動くのですが、場面転換が多いというか動き過ぎかな。個人的に客席最前列で演技してたりしてるのをみて、宝塚の銀橋を思い出したりしてました。
チケットの値段とか、キャスト陣とかを考えると、辛口にならざるを得ないところ。祝祭
の名の通り、華やかだったけど…う〜ん、という感じでした。