観劇日記:『印獣』

というわけで、新感線を観た熱気も覚めやらぬうちに、今度はねずみの三銃士の『印獣』でございます。第一回の『鈍獣』はチケット取れなかったんだよなぁ。5年越しのリベンジですよ。というか、そんな前か。まだ学生の頃かぁ…

狐や猿が生息し、携帯電話の電波は圏外になるほどの森の中、ひっそりとたたずむ一軒の洋館。そこにやって来た3人の作家は黒い招待状を手にしている。

「印税生活してみませんか?」

怪しみながらも、様々な事情を抱えていた彼らは、<印税>というエサに釣られてやって来たのだ。そこに現れたのは、自らを女優だと語る長津田麗子という女主人。「芸能生活45周年を記念して、私の自叙伝を書いて欲しい」という。しかし3人の作家たちには長津田麗子という名前にも聞き覚えがなければ、その顔さえ見覚えがない。即座に麗子の依頼を断ろうとするが、監禁されて、無理やり執筆を開始することになる。

期間は1ヶ月、成功報酬は3人合わせて2億2千5百万円。 逃げ場のなくなった3人は、唯一の手掛かりである書庫の資料を元に、それぞれが麗子の半生をでっち上げていく。

なぜ3人は長津田麗子から作家として指名されたのか。 作家たちが架空に描いた麗子の物語は、当然のごとく、思わぬ方向に進み・・・・・・。 果たして自叙伝は書き上がるのか。そして、その先あるのは希望か、絶望か——。

チケットぴあ/印獣

ホラー・コメディな物語。何とも言えない、もやーっとした嫌な感じと言うか、すっきりしないというか、観た人に色々想像させる余地のあるストーリーでした。クドカンのは何だかそんな感じのが多いのかなぁ。

見所は、あちこちに出てますが、いかに三田佳子をネタに遊ぶかという点に尽きるかと。というか、逆にその突き抜けっぷりにあらためて脱帽なのですよ。

9歳の少女からセーラー服の女子高生、怪獣の着ぐるみと、とにかく笑わせて頂きました。特に「毒マグロ貴婦人」は一番笑ったわ〜

最初は長津田麗子なぞ知らない、と言っていた3人が物語を書き進めるうちに何らかの接点があることが分かってくわけですが、飛竜と上原に比べると、浜名の関わり方は彼女の人生への影響って意味ではそんなに大きくないような気が。

個人的には本当の黒幕がいるんじゃないの?という気がする終わり方だったように思います。「元を取る」にしても、どこから取るのか?、なぜ引っ越しのお客が児島の家族というのがわかったのか? あたりが引っかかるところですかね。

新聞の劇評で、後に何も残らないが、密度は濃いなんて書かれていて、なんというか言い得て妙というか。


01. 11月 2009 by Castaway。
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