読書日記:『サヴァイヴ』
近藤史恵の『サヴァイヴ』読了。折しもツール・ド・フランス真っ最中ということで、あっという間に読んじゃいました。今回はStorySellerで発表されたものを含む短編集だったのもありますけれど。StorySeller で発表されていたものは、ずっと追いかけていたので読んでいましたが、yom yom の方は初見だったので、こちらはかなり新鮮でしたね。
『サクリファイス』を中心とした過去と未来の物語。時間軸的には『サクリファイス』以前のものが3編で、赤城と石尾の物語、『サクリファイス』と『エデン』の間の白石と伊庭の物語が、2編、『エデン』後の白石の物語で1編。
どれも、彼らがサイクルロードレースの世界と、自分自身との戦いを描いていて、孤独や誘惑、嫉妬、恐怖心…そういったものから文字通り生き残って、レースを続けていく様子が、どこかしんどいという状況を超えたところにあるのが、彼らにとっての楽園なのかなぁと感じるんですよね。
すべてのレースの果てに、白石や伊庭がどんな世界を見てるのかなぁと、彼らの続きが早く読みたいです…