観劇日記:『シレンとラギ』
ということで、観てきました。いのうえ歌舞伎らしい作品だったなぁ、と思います。期待を裏切らないおもしろさでした。ワカドクロはちょっぴり裏切られ気味だったので… (ストーリーも知ってるし、97、アカ/アオと観てるせいもありますが)
北の王国・通称 幕府。
若く愚かなギセン将軍(三宅弘城)を王とするが、その実はモロナオ執権(粟根まこと)が幕府を運営し北の王国を牛耳っている。王宮の警備には、侍所【さむらいどころ】のキョウゴク官領(古田新太)と、その部下で若くして守護頭【しゅごのかみ】を務める息子ラギ(藤原竜也)があたっていた。
先代の王の十三回忌の日、王宮に敵国の刺客が忍び込む。仕留めたのは、闇の任務を司る暗殺部隊の中でも腕の立つ毒使いシレン(永作博美)。キョウゴクに呼び戻され北の王国へ戻ってきたのだ。
「伝説の方にお会い出来て光栄です。」
かつての功績をたたえ、シレンへの憧れと好意を臆することなく口にするラギ。伝説とも語られるその武勇伝は、20年前の任務で敵国・南の王国のかつての独裁者・ゴダイ大師(高橋克実)の自然死に見せかけた暗殺であった。
しかし、キョウゴクが語った事実に、再びシレンはラギと南の王国へと向かうことになる。
「ゴダイが生きていた。」
呼び戻されたシレンの任務は、20年ぶりに仮死状態から目覚めた南の国王の暗殺だったのだ。
最近は梅ちゃん先生の印象が強いせいか、高橋克実があんなに動ける人だったとは!とちょっとビックリしたのでした。そういえば、舞台で観たのは初めてだったような気が。堂々たる悪役っぷりがとてもかっこよかったのですよ。
ということで、ネタバレ注意。
あこがれていた人が、実は…という展開は何となく途中で予想出来てしまいましたが、いきさつまでは想像できなかったなぁ。ラストについては、いろいろと意見が分かれそうですが、「血が流れるところに道ができる」という通りになったわけで、生きる意味も目的も出来たのだから、自分的にはありかなぁ。あの演出もその言葉を反映してましたしね。「人として」という台詞も含めて、3/11後だからこそ、描きたかったという言葉にも納得できました。
古田新太と橋本じゅんの二人のパートは、息抜き部分という感じ。おそらくアドリブたっぷり、かつ観る度にエスカレートしてて、「うざい!」という台詞はおそらく本心のような。お約束で面白いんだけどね。というか、橋本じゅん、この手の役回り多いなぁ。劇団員の皆さんは何となく同じような役回りになっちゃってるのは仕方ないのかなぁ。
永作博美演じるシレン、キリッとした感じで、強い人物だなぁと。女性としても母としても。それにしても、藤原竜也と並ぶと小柄さが際だちますな。小さいわ、美人だわで、20年経っても変わらないってのもその通りだと思っちゃう。ラストのシレンの、黒ずくめに桜かな?の刺繍が入ったような衣装、一幕最後の桜のシーンと重なって、印象深かったです。
で、藤原竜也。上半身脱いでたけど、お約束なのかなぁ。お芝居出る度に脱いでる印象が。意外に新感線に馴染む役者さんかもですね。立ち回りも行けるし、お笑いも大丈夫かも。
これ、ゲキシネでやるのかなぁ… あと、冬は五右衛門ロックだそうなので、そちらも楽しみです。